こんちわ、藤堂 璻鸞です。
今年の各クラブ募集も盛り上がっていますね!!注目の気になるお馬さんが沢山います。
数多くのお馬さんの中から、これは!と思う馬を選んでいく過程が一口馬主の醍醐味ですよね。
皆さんはどのように選んでますか?
各クラブから募集馬一覧やカタログが出て「さぁ、検討するぞ」となったら、まず両親と性別と価格を見ますよね。
みなさんは、その後なにを調べますか?
- 血統を掘って行く
- 測尺と馬体を見る
- 動画を何回も繰り返し見る
- 出生日や厩舎といった重要情報を見る
- カタログPDFをダウンロード印刷して書き込みを始める
…など、選定基準にする情報の重み付けは人それぞれだと思いますが、血統と馬体は多くの人にとって共通の重要情報だと思います。
血統はデータを見ていくことになり、馬体は実際の募集馬を見ることになります。
でも、馬体ってどこを見れば良いのか?何が良いのか悪いのか?
最初は分からない人も多いと思います。私もわかりませんでした…。
ということで今回は一口馬主10年目の私が、馬体の見る場所と判断基準を書いていきます!
でも、ぶっちゃけ、勝てる馬を見分けるのはとっても難しい…。
なので、基本の見方と一般的に言われている見解をまとめていきます。
馬体の作りと各パーツ
頭
馬の頭。人と比べるとすごい大きいですよね。
この頭部ですが、馬体全体のバランスとしては小さい方が良いと言われています。
実際に、三大始祖として知られるエクリプス、ヘロド、マッチェムなど、1800年代の馬の肖像を見ると、頭が小さく描かれているのが分かります。三大始祖*wikipedia
頭が大きいとその重量で前脚に負担がかかるため、小さい頭が好ましいとされるようです。また、小さい頭は視覚的にも美しいと感じる人が多いのかもしれません。
ただ、頭が大きいとダメか?というと、そういうこともありません。
私が子供の頃好きだったビワハヤヒデは現役時代から頭というか「顔が大きい」と言われていましたが、Glを3勝し、年度代表馬を受賞しています。
というわけで、ビワハヤヒデのように頭が大きくても高い実績を持つ馬は存在しますが、やはり一般的には頭が小さい方が好ましいとされているようです。
首
からだのつくり的に、歩く・走る際に首を動かさないといけないので、首は馬にとって重要なパーツ。
見るポイントとしては、首の長さと首の太さ。
まず、馬の頭を振り子の錘、首を振り子の糸に例えて考えてみてください。
振り子の糸が短いと、振れる速度(テンポ)は速くなりますよね。これを馬に置き換えると、首の短い馬はフットワークのテンポが速くなり、いわゆるピッチ走法という走り方になりやすいと言われています。
そして、首が短く、太い馬は短距離・ダートコース・小回りのコースを得意とする傾向があると言われています。
実際に、短距離馬の強さで知られるオーストラリアやアメリカの種牡馬を見てると、首が短くて、首が太い馬が多い気がします。
なお、首が短い馬は首が短いことでピッチ走法になりやすく、一歩ごとのストライドが短くなるため、荒れた馬場でも滑りにくいとされています。
首の長い馬について考えると、振り子の例えで言えば、糸が長いために振動の可動域が広くなります。その結果、フットワークが大きい走り方になりやすいと考えられます。
そのため、首が長い馬は、芝・中~長距離向きといわれています。
また、大きな歩幅で「跳びがきれい」と評される馬は、そのストライドを活かして高いパフォーマンスを発揮することができます。しかし、雨などで馬場が荒れている場合、のめったりして、その力を発揮しにくいと言われています。
じゃあ、クラシックに出るような馬が欲しかったら首の細くて長い馬を選べばいいのか?といえば、そうでもありません。
馬によって異なりますが、首の長い馬は喉鳴り(喘鳴症)のリスクが高まる傾向があります。実際に私の出資馬に首の細くて長い馬がいましたが、喘鳴症の一種「喉頭蓋エントラップメント」という疾患で手術を受けた経験があります。
胴体
次に胴部です。
胴が短くて詰まっている馬は短い距離を得意としている馬が多く、胴が長い馬は長距離を得意にしている馬が多いといわれています。*もちろん例外はあります
肩の前端からお尻の端までの距離が長く四角を描いた時に、長方形に近い馬が長距離向きということになるみたいです。
短距離向きはその逆に肩からお尻までの距離が短く、四角を描いても正方形に近くなる場合みたいですね。
私は肩端がなかなか見つけられない時、肘の後ろから腰角の範囲で見てることが多いです。
なんとなぁく分かる気がしませんか?
胸
胸には心臓と肺が収められています。胸囲が大きい馬は、心臓と肺が大きいと考えられ、それは大きな「エンジン」を持つ馬と言えます。
肩
続いて馬の肩の角度は、実際に馬の適性を予想するための重要な指標となります。
肩端とキ甲(首の付け根の後ろや背中の窪みの近くにある少し突出している部分)を結ぶ線と、地面と平行な線との交点を見ると、その傾斜から馬の適性が推測できます。
傾斜が急な場合は「肩が立っている」と言われ、短距離・ダートコースに向いているとされます。
逆に傾斜がゆるやかな場合は「肩が寝ている」と言われ、中長距離・芝コースに向いているとされます。
肩端の位置は一見すると分かりにくいのですが、一口馬主データベースの馬体チェッカーによると、「キ甲から斜め下に向かう線が馬体の外側と交わる位置」と説明されています。
しかし、馬によってはその部分がはっきりしなかったり、複数の線が見られたりするため、正確に位置を特定するのは難しいこともあります。
背中
良い馬の体つきを表す言葉に「長躯短背」というものがあります。
背中をなぞった時の線が短く(短すぎない)、胴の長さがゆったりしたものが良いとされています。
そして、競馬をやっている人なら一度は目にしたことがあるであろう関係者からのコメントで見られる「背中の良い馬」という言葉。
こういう言葉もある以上、馬の背中は、トモや脚の可動域と同様に大事な部分です。
さて、馬も脊椎動物なので、背中には背骨が通っていますよね。この背骨は首と腰の骨を繋いでいるだけでなく、人を乗せたりする強度を持っています。
たまにこの背骨がたわんでいて、窪んで見えるいわゆる「背ったれ」と呼ばれる状態の馬がいます。
これは先天性のものなので基本的に治る治らないという類のものではないのですが、たまにこういう馬が募集に乗ることがあります。
見た目が良くないので背ったれを嫌う方もありますよね。それ以外にもマイナス面があり、走力・速力に欠けるというものがあります。
私の出資馬エレボアブランシュも背ったれの馬です。
牧場のコメント(だったと思う)にあったのですが、「背中の筋肉を使えないのでもうひと踏ん張りがきかない」という話。背ったれであっても走った馬はいるのでしょうが、重賞を勝つ馬にそういう馬ってほとんど見かけませんよね。あと、走った際に普通の馬より疲れやすいとかあるかもしれません。(エレボアブランシュは丈夫な馬ですが…)
なんで、そんな馬選んだのかって?
そりゃあ、母が元出資馬だったからですよ。
トモ(おしり)
地面を蹴り、推進力を得るための重要な部分のトモ(おしり)。
ここが大きくて発達していると力強く見えるので、走るんじゃないか?とわたくしが感じるポイント。
あと、馬のお尻にもいくつか形があってそれぞれ好みが分かれるようです。
飛節
飛節は後肢のトモの先のスネ(斜めになっている部分)と管の間の後方に出っ張った部分です。
馬を選ぶ時には立っているときの飛節の角度、歩く際の飛節の伸縮を見ます。
飛節の「角度」は生来のもので、「曲飛(曲飛寄り)」と「直飛(直飛寄り)」と評価されます。
曲飛とは
曲飛とはスネが地面に対してより水平に近く、飛節のくの字に角度がついているもの(角度の強いもの)を指します。
短距離・瞬発力に優れるタイプの形とされています。一方で好みが分かれるのか「蹴る力が上逃げる」「出遅れやすい」と避ける人もいるそうです。
この辺りは、好みとか考え方でそれぞれ説がありますがどちらも一理あるように思えます。
直飛とは
直飛とはスネが地面に対して垂直に近く、飛節のくの字の角度がまっすぐなもの(より角度が180度に近いもの)を指します。
曲飛に比べると瞬発力は劣りますが、蹴る力がスムーズに伝わるのでスピードの乗りが良い形とされているそうです。
「長躯短背」のように、馬の形を表す「斜尻直飛」という言葉があるようですが、…となると、直飛の方が昔は多かったんでしょうか。
そういや、日本競馬界に爆発的にその血を広めたサンデーサイレンスが曲飛だったという話を思い出したのですけど、90年代以降増えたもんだったりするのかな…
つなぎ
つなぎとは、蹄とその上の関節(球節)を繋ぐ部分です。
つなぎは、馬が走る際の着地衝撃を吸収する役割を果たすため、この部位の長さと角度、さらには柔軟性が大切になります。
繋ぎが長くて柔らかい馬の極端な例で言うと、トウカイテイオー。
テイオーの場合は鶏破(異常歩様の一種とされる)の傾向もあったかも知れませんが、とにかくフワリフワリとしつつ、弾む独特な歩様は有名で未だに多くの人の記憶に残っています。
テイオー特有の歩様。テイオーステップといわれたりしますね
なお、繋ぎの角度は45度くらいが目安なんだそうです。
角度の急なものが「立ち繋ぎ」と呼ばれ、ダート馬に多く、逆に角度がなだらかなものが寝繋ぎと呼ばれ芝馬に多いとされています。
繋ぎの長さも長ければ良いというようなものではなく、クッションが効く反面、負担がかかるので故障しやすくもなるとも言います。
繋ぎが長いトウカイテイオーも故障が多かったですよね。
出資馬にも繋ぎが長い馬がいましたが、故障で3歳まで入厩できずに結局再度の故障で引退した馬がいました。
あとは繋ぎで重要なのは柔軟度。硬いと故障しやすくなります。
柔軟度については、硬いよりかは柔らかい方が絶対いいと思います。
まとめ
ここまで書いてきましたが、一頭の馬を見るだけで本当にたくさんポイントがありますよね。
最初はざっと書くつもりでしたが、書き始めたら想定より長くなってしまいました…。
この他に、前から見た時の胸の幅だとか、後ろから見た時の姿とかお尻の形とか、更には脚の外向・内向、前脚の可動域だとか硬い動き・柔らかい動きなど、馬体を見る箇所は沢山あります。
みんなが良いっていう馬は、確かに馬体が良い馬が多いです。そんな馬は大体人気が集まって申し込みをしても当選は難しいことが多いでしょう。でも、自分なりに見極めができたら、「人気はそれほどでなくても走る馬」が見つけられるのではないでしょうか。
馬体の良さを見極めることができたら、例えば募集時はそれほど人気でなかったけど大活躍したエフフォーリア(キャロットC)的な馬に出会うことも可能なのでは?…と思います。
とはいえ、まだまだ私も馬の見方の修行中。もっと勉強してきたいと思います。
おススメ書籍
わたくしの愛読書の「馬体は語る」。
まさに一口馬主の必読書。見逃すと損するレベルの本なので、まだ読んでいない方はぜひ読んでおくべきです。
ではまた!
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今年は久しぶりにとても気になる募集馬の名前が載っています。気になっちゃうお馬さんを挙げていきたいと思います。